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明日ゲンキになるマメ知識明日、ゲンキになるためのマメ知識

アスゲンのお薬に使用されている成分の原料や
それぞれの効能などをわかりやすくご紹介しているページです。
健康に関する最新情報もあわせて随時更新してまいりますので、
毎日の豊かな暮らしづくりにぜひご参考ください。

血管の柔らかさ = 健康 = 若さ

「アンチエイジング」、「人生100年時代」、「健康寿命延伸」・・・。これらの言葉を耳にしない日はないでしょう。巷には、皮膚に潤いを与えるクリーム、飲むだけでやる気が出てくる・細かい字が読めるようになったとの感想をうたう製品があふれています。これらを利用する人たちの求めるセルフイメージとは何でしょう。私はこう思います「何年経っても、自分が一番良かった時期の姿」。しかしこれらを使っていれば、求める姿に辿りつくことができるのでしょうか。もしできないとしたら、他に方法はあるのでしょうか。こんな言葉があります。

「人は血管から老いる」  *ウィリアム=オスラー博士(1849-1919 カナダ人医師)

私たちの体は、常に新しいものに作り換えられています。おおまかな仕組みは、口から摂取された食べ物の栄養分は小腸の毛細血管から血液に移動し、血流に乗って体中に運ばれ、体の再生に使われる、と言うものです。もし血液、血管、そして血流の状態が悪かったら、せっかく良い食べ物を摂ったとしても、体中の細胞の作り換えがうまくいかず、体が新しくなりません。「老化」は生き物である以上、避けることはできません。血管のように、外からは目に見えない部分でも老化は進んで行くのです。血管、血液、血流は全身に関わることであり、これらの状態の悪い人は、良い人より病気になりやすかったり、老化が早く進むかもしれません。しかし老化のスピードを遅くすることは可能かもしれません。その方法について研究された論文をご紹介します。

●「欧米の生活共同体における研究:疾患の割合は健康的な血管の未来に関係するのか?」(原題:Prevalence, Correlates, and prognosis of healthy vascular aging in western community-dwelling cohort : the Framingham study)Hypertension. 2017 August ; 70(2): 267-274.

欧米の生活共同体において、50歳より年齢が高い男女約3200人について調査したところ、健康的な血管(30歳未満の血管の柔らかさを基準とする)を維持している人は、全体で約18%、50~59歳では約30%、70歳では1%(1%の方は血管年齢30歳!?)でした。年々、血管の柔軟性は失われ、健康的な血管を保っていた人の特長を紹介していきましょう。

1)健康的な血管を持っている人には、高血圧の人はいなかった。

2)肥満していない

3)糖尿病でない

4)タバコを吸わない

5)適度に動いている

6)健康的な血管を持つ人の10%程度は高脂血症の薬を飲んでいる

また、欧米の生活様式は、血管の柔軟性を損なう因子となり得ることから、「血管の柔軟性の保持能力は遺伝ではなく、生活環境によるものである」ことが示されており、日常生活を変えることで、血管の柔軟性を上げることができるかもしれません。

●「健康的に血管が老いるための方法」(原題:Strategies for Achieving Healthy Vascular Aging)

Hypertension,2018;71:389-402

1)健康的な血管と血圧

「不健康な血管」は柔軟性に乏しくなるため、血流量が増えても変形できず、結果として血管壁にかかる圧力が増し、高血圧になります。一方、「健康的な血管」は柔軟性が保たれているため、血流量増加の際も変形可能量が大きく、従って血圧は上がりにくくなると考えられています。

2)健康的な血管を保つための生活様式

①有酸素運動:意外かもしれませんが、取り入れてもあまり変化はないようです。有酸素運動が血管の柔軟性や血圧に与える影響は、まだ十分な根拠があるとは言えません

②食事の摂取カロリーを減らす(もちろんバランスを保った上で!)/体重を減らす:有酸素運動を取り入れるよりは食事の量を減らした方が良いと言われています

③摂取塩分量を減らす

3)薬学的手法

①抗高血圧薬:血管の柔軟性が上がり、血圧は下がります。

②抗高脂血症薬:①と同様の効果があると考えられています。

4)結 論

①体を動かす

②摂取カロリーを減らす/体重を減らす

③食事の組成を考える

④薬学的手法を用いる(薬を服用する)

血管の柔らかさ = 健康 = 若さ。 栄養を体の隅々に届ける役目を持つ血管を労わることが、病気にかかりにくくし、健康寿命を延ばすことにつながると考えます。両論文に紹介されていることには、すぐにでも実行できるものがあります。これこそが本当のアンチエイジング、つまり「何年経っても、自分が一番良かった時期の姿を保つ」ことへの近道と考えます。

個人的には、70歳にもかかわらず、血管年齢が30歳より若かった方にお会いしてみたいです。

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