芍薬について その3
シャクヤクは中国北部が原産とされ,シベリア東部から中国北部,朝鮮半島にかけて分布する多年草の植物であるが,主に観賞用に栽培される.高さ50〜90cm,葉は互生で,1〜2回3出複葉で,小葉は3つに深裂し,皮針形,楕円形または卵形で,脈や柄は赤色を帯びる.初夏に白から淡紅色,赤色などの花を枝先に上向きにつける.古くは異国から来たという意味でエビスグサと呼んだ.花や蕾に多くの人が魅了され観賞用に栽培されたり,切り花としても利用されたりすることが多いが,薬用には乾燥あるいは蒸乾した根を使う.薬用として使う場合は,根を太らせるために花が咲く前に摘花する.昭和40年頃まで奈良県や北海道などの国内生産で需要を満たし,さらには東南アジアへ輸出していたが,昭和50年代から韓国や北朝鮮から輸入されるようになり,現在では中国産で外部形態が大和芍薬に似たものが出回り始めている.
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